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過去の掲示板⑩ 2021.1.6~

2021.3.31

本日から新味が登場しております「本日の食べるスープ」は、「新玉ねぎのポタージュ」です。甘くとろけるように火を入れた新玉ねぎを、生クリームと牛乳と併せてミキサーでまわした、なめらかなクリーム系ポタージュです。ぜひこの季節ならではのスープをご賞味ください。



なお、店内で召し上がれる商品としてご提供していました殻付き生牡蠣は、3月をもってご提供終了いたしました。予想以上の反響をいただけて、牡蠣がお好きな方からはだいぶリピートご購入いただけました。ほんの少しでも飲食店の名残のようなことができて、私もとてもうれしかったです。このまさかの商品をご購入くださった皆様、本当にありがとうございました。

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2021.3.24

先週末から販売していたのですが、お知らせが遅れておりました「本日のまかないごはん」の新味は、「鶏もも肉のバスク風トマト煮込み」です。バスクというのはフランス~スペインの国境にまたがる独自の文化を持った地域で、料理がとてもおいしいことでも知られています。



バスク料理の特徴はいろいろありますが、今回は特産であるピーマン(パプリカ)や唐辛子、トマト、生ハムをふんだんに使った、軽いトマト煮込みの仕立てです。南仏風のトマト煮込み料理とはまた一味違っています。



先週末にけっこう一気に売れてしまったので、今週も同じ内容でもう一度販売しております。



あと、Facebookで写真を公開していたのでHPの掲示板でお知らせするのを失念しておりました「本日の食べるスープ」も新味が出ております。

今回は「ポタージュ・クレッシィ」という、フランス料理の古典的なスープのひとつである、にんじんのポタージュです。かぼちゃのような甘味があって、これがにんじん?とおどろくおいしさです。

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2021.3.17

再度リマインダです。明日18日(木)の昼の営業は、臨時休業とさせていただきます。夜は営業いたします。何卒ご了承をよろしくお願いいたします。

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2021.3.15

リマインダです。今週18日(木)の昼の営業は、臨時休業とさせていただきます。夜は営業いたします。何卒ご了承をよろしくお願いいたします。



前回お知らせしたお花見シーズンの特別商品について「お花見商品」という特設ページをご用意しました。昨年のお花見弁当の写真を掲載してありますので、どうぞご参考ください。

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2021.3.13

お知らせが3つあります。



①本日の食べるスープ、新味が登場しています。「大根とチキンのココナッツカレー」ついにカレーまで登場しました。でもココナッツ風味のカレーなスープという感じなので、いつもどおりショートパスタや他の具材と一緒に食べるスープとしてお楽しみください。



②「本日のまかないごはん」今週もまた出ました。今回は「鶏もも肉のソテー シェリービネガー風味」です。前回同様、ソテーした鶏もも肉にソースをからめて軽く煮込んだ料理です。ビネガー風味といっても酸っぱいわけではなく、旨みを含んだ酸を持つシェリービネガーという酢のわずかな酸味が、食欲をかきたてると同時に鶏肉とフォンドヴォーの旨みを増幅させます。



③お花見商品のご案内アップデートです。今年はやはり去年にも増して、ご家族や少人数でのお花を愛でる慎ましやかな会としてお花見をお考えの方が多いと思います。



そこでそれに合わせて、今年もまた昨年同様にお花見弁当を販売いたします。昨年はご注文は2人前を1単位として、2人前盛り込みスタイルのお弁当だったところ、今年は、ご注文は同様に2人前を1単位として受け付け、盛り込みは1名様分ごとの個別スタイルの弁当といたします。1名様分商品に関しては、現在検討中です。



予定している内容は、

ミモザ風ゆで卵/にんじんのラペ/紫キャベツのマリネ/ポテトサラダ/シンシンのローストビーフ/マグレ鴨のブロック/美桜鶏の自家製サラダチキン/イタリア産生ハム/グリーンサラダとキヌアのタブレ/カナッペ3種(魚介マリネ・サーモンマリネ・豚肉のリエット)/カツ2種(ミニひれかつ・コルドンブルー)

で、2人前4800円(税込)です。



あと、今年のお花見は外に出かける手間がないぶん、おうちでちょっとだけ手をかけてもいいかな…とお考えの方のために、、、昨年クリスマスに販売したものと同じ「総州古白鶏の骨付きもも肉のローストチキン」を、またこの期間限定で販売いたします。価格は前回同様、1本1600円(税込)です。



いずれの商品も、1)ご注文受付 と 2)お受取り日時確定 の2段階にわけて、お請けいたします。まずは1)ご注文ご予約だけを先行して開始し、2)お受取りご希望日時は確定してから改めてお聞きします。2)の日時確定のお知らせは、お受取りご希望日のなるべく1週間程度前までにお願いいたします。



​上記情報は近日中に専用ページを立ち上げ、改めてそこに集約します。今回のご注文ご予約は店頭でも、「アクセス・お問い合わせ」ページにあるお問い合わせフォームからでも受付いたします。

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2021.3.8

2月25日のお知らせで仮称「アレンジ写真館」として言及しました、当店商品をちょっとアレンジして楽しむアイデアご紹介コーナーですが、「商品アレンジギャラリー」としてページ追加しました。まだ撮影できたもの少ないですが、ちょっとずつ増やしていく予定です。





さて…今週は東日本大震災から、10年となる週です。あれから10年です。あの震災は私にとって、とてつもなく、あまりにも大きすぎる出来事でした。話し始めてしまったら大変なことになるのでここでは書きませんが、とにかく決して忘れられない、忘れてはいけないと心に決めている出来事です。



​店頭に、震災直後に現地の地方新聞社が発刊した報道写真集を置いておきます。ショッキングな内容なので、ご覧にならなくともかまいません。ただ、あのときのこと、そのショッキングな写真を現実として被災した方々がいること、その現実は今でも続いていること、それを忘れないようにしておければと思います。

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2021.3.6

気まぐれ商品が出ております。固定メニューではないので、「商品一覧」ページに写真はアップしておりませんが、「本日のまかないごはん」シリーズとして、「鶏もも肉の南仏風ソテー」を販売しています。写真はFacebook、instagramに載せております。



「本日のまかないごはん」というのは今までありませんでしたが、以前販売した、気まぐれのノリで作った「牛ホホ肉のビーフストロガノフ」が割と好評だったので、同様に、まかないを作るノリで、あまり厳密にいろいろなことを計算せずに作ったものを指して、そう呼ぶことにしました。「まかない」とは、飲食業用語で、従業員用の食事のことを指します。


今までひとつの商品開発に時間と労力をかけすぎていたのですが、鶏肉や豚肉などを使ってまかない感覚で作れば、まあ原価割れしない範囲でおいしいものはできるだろうという、開発スピードと日替わり性を重視した、白米ごはんのおかずにできるノリ商品のことを指すこととします。



「南仏風(南フランス風)ソテー」ですが、ソテーというと、鶏肉焼いただけ?と思われるかと思いますが、フランス料理において「ソテー」とは実はいくつかの意味があって、この商品は、「焼いた肉にソースをからめて軽く煮て一体感を持たせた料理」的な意味のものです。鶏もも肉の軽いトマト煮込みみたいなイメージです。1人前650円、白米のおかずとして食べられます。付け合わせのマッシュポテトも250円でオプション販売しております。すごく相性よいです。



「本日のまかないごはん」は、毎日ロクなものを食べていない自分自身の栄養状態のためにも必要なものと考え、週末などを中心に、気まぐれに出していきたいと思います。





​なお別件ですが、Facebookページの投稿の一番上にピン留めしていた「はじめにお読みください」という文章が、Facebook社の仕様変更のために、いつの間にか削除されたというか消えてしまっていました。重要なことが書いてあったのですが。数日内に改めて書き直してまた貼り付けておきます。

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2021.3.4

今月もまた臨時休のお知らせです。

18日(木)の昼を臨時休業とさせていただきます。夜は営業いたします。



ちぢみほうれん草もついにシーズン終了しました。おいしかったです。最後の「ちぢみほうれん草のキッシュ」が失敗に終わったのは無念でしたが。

次に登場のキッシュは、もう春の到来「新玉ねぎのキッシュ」です。軽くソテーしたやわらかくて甘い新玉ねぎは、ベーコンの薫香とチーズ、卵との相性が抜群です。商品一覧ページに写真をアップしてあります。



さて今年もお花見の季節が近づいてきましたので、昨年のようにお花見用お弁当のような商品を出したいなと考えているのですが、社会状況が状況なだけに、普通のお花見シーズンとは求められるものの形もだいぶ異なると思っております。アイデアを練って改めてお知らせいたします。

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2021.3.1

「食べるスープ」の新味が登場しております。今度は「オニオングラタン風なオニオンスープ」あめ色になるまでじっくり炒めた玉ねぎの、甘味と旨みたっぷりのスープです。よく聞く「オニオングラタンスープ」というのは、これの上にパンとたっぷりのチーズを載せて、オーブンでこんがりと焼いたものです。ご自宅で作ってみたい方は、作り方(アレンジ方法)お教えします。





さてあと一つお知らせです。ちぢみほうれんそうのキッシュ…恥ずべきことに、作り損じました。愚かなことに、完全なる不注意で、焼きすぎました。昨日日曜日に出すつもりでいたのに、そのために、販売できませんでした。日曜日に「今日はキッシュないんですか?」とお聞きになられた複数組のお客様、申し訳ありません。実はそういう事情でした。



ただ、焼きすぎて黒焦げで食べられなくなった、というわけではありません。火を入れすぎて、スが入ってしまって、いつものあのふるっふるななめらか食感ではなくなってしまったのです。捨てるようなものでもないので、まあいいや自分で食べようと思ったのですが、多すぎました。食べきれません。



そういうわけですので、ご希望の方には、お一組一個までで、差し上げます。どうぞ店頭でおっしゃってください。

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2021.2.25

最近、とうとう!当店の自家製サラダチキン「美桜鶏(みおうどり)の低温調理胸肉」(商品一覧ページ参照)を、ご自身でいろいろなアレンジをして楽しんでくださるお客様が、ちょっとずつ増え始めてきました。

もともと、いろいろな用途に使えるパーツ素材商品として用意したものなので、販売開始からほぼ1年近く経ってようやく、ご自身なりの楽しみ方のために買ってくださる方が増えてきたことは、とてもうれしいです。



これは鶏の胸肉という、淡白なぶんどんな食材や味付とも相性のよい、脂質の少ない良質なタンパク質の食材なので、アレンジの幅はとても広いです。というわけですので、もっと「こんな食べ方もあります」というご提案として、私からも食べ方バリエーションを、HP内の新ページ「おうちでカンティーヌ商品 アレンジ写真館」(仮称・立ち上げ予定)にて写真つきでお知らせしていこうと思います。

 

この「写真館」では、この胸肉以外にも、当店の商品をちょっとアレンジして違う食べ方で楽しめる方法をお知らせしていく予定です。意外といろいろあるのです。数日内に立ち上げ予定ですが、一足先にFacebook上で写真の公開をしてまいります。

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2021.2.24

フキノトウのフリットがけっこうご好評の中、終了しました。ありがとうございました。



とそのタイミングで、、、今度は、先日キッシュのご案内の際にご説明した「ちぢみほうれん草」を大量にいただきました。



というわけで、ある限りで「ちぢみほうれん草のバターソテー」を販売いたします。電子レンジで温めてお召し上がりください。茎まで甘くておいしいです。



数日間欠品していたキッシュも、明日から販売開始しますが、これもちぢみほうれん草のキッシュです。





ところでこれはけっこうどうでもいいことですが…現在、店内の歳時の飾り付けはひな祭り仕様になっていますが、ルイ15世とデュバリー婦人の話が出たことで、部分的にベルばら仕様になっているところがあります。いらした際にはお探しになってみてください。

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2021.2.23

「本日の食べるスープ」新味が登場しております。

今回は「カリフラワーのヴルーテ」



ヴルーテとは、フランス語でビロード(ベルベットやベロアのような、なめらかで光沢のある生地)のことで、同じようになめらかで艶やかなスープやソースのことを意味します。



ルイ15世の愛妾デュバリー夫人がカリフラワーが大好きだったことから、このスープは「ヴルーテ・デュバリー」とも呼ばれます。



カリフラワーをスープで飲まれることはあまりないかと思いますが、古典的なフランス料理のスープのひとつで、とてもおいしいです。

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2021.2.17

お知らせリマインダです。

18日(木)の昼は、臨時休業とさせていただきます。夕方は通常どおり営業いたします。

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2021.2.16

お客様からフキノトウをいただきました。お庭に生えたものだそうです。ありがとうございます。というわけで、一足早い春の香り、フキノトウの天ぷらをご提供します。4個で300円、ある限りです。人間は新型ウイルスのパンデミックなどというとんでもない状況で未だ右往左往し続けていますが、自然の営みというのはただ黙って毎年きちんと繰り返されるのだなあと思います。



次は、牡蠣の話です。店主の予想を上回って殻付き生牡蠣が売れていますので(!)、せっかくだからと思い、違う産地のものを仕入れてみました。今回は宮城県石巻の、クリーミーパールというブランド名の銘柄牡蠣です。その名のとおり、小さくても粒ぞろいで特にクリーミー、という売り文句でした。



味を見てみると…店主の個人的な味覚の好みでは、前の兵庫県室津産の方がおいしいな、という感覚でした。クリーミーパールのほうが塩気が強く、磯の香りがやや「磯臭さ」と感じられる、という印象で、さらにクリーミーさと味の凝縮感でも室津のほうが上な気がしました。



なぜわざわざこんなことを言うのか?せっかく仕入れたのだから、めっちゃおいしいです!と言っておけばいいのではないのか?



純粋に、「この違い、なかなかおもしろいな」と思ったことが理由です。塩分の強さも、磯の香りも、彼らの生きた海の環境が違うのだ、ということを感じさせてくれました。瀬戸内海と、三陸沖。潮の流れもプランクトンも、それぞれ違っていて、そこでみんな必死に生きているのですね。養殖なので、生かされているんですが。



それに、これはうまいまずいというよりは、味の好みの問題です。塩気や、磯の香りが強いほうを好む方もいます。室津のものは磯臭さがほとんどありません。



というわけですので、産地による味の違いを楽しんでみたい方は、お試しになってみてください。



あと最後は、金平糖(コンペイトウ)の話です。

もうすぐひな祭りなので、金平糖を店頭においてあります。味がいろいろあってなかなかおいしいので、どうぞご自由にお召し上がりください。

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2021.2.13

すごい地震がおきましたが、皆様大丈夫でしたでしょうか。

本日と明日、例外的に気まぐれ商品「牛ホホ肉のビーフストロガノフ」を数量限定で販売しております。生クリームが多めなハッシュドビーフのような料理です。

おうちのお料理をもっと楽しくするパーツ素材商品にもなっている牛ホホ肉の煮込み、この機会にぜひお試しになってみてください。

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2021.2.12

「本日の食べるスープ」新味は、「シャンピニオンのポタージュ」シャンピニオンとは、マッシュルームのことです。マッシュルームのスープ??と思われるかもしれませんが、フランス料理のクラシックなポタージュで、とてもおいしいです。

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2021.2.10

キッシュにまた新味登場です。ちぢみほうれんそうに続いて、これもこの時期が旬のイチオシ食材。

「下仁田ネギのキッシュ」とろける甘味が比類なき、冬のネギの王様です。初めて作りましたが、想像どおりキッシュとの相性は抜群でした。本日販売開始して、すでに残数がわずかになってしまったのですが、まだ今期何度か作ると思います。

商品一覧ページに写真をアップしてあります。

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2021.2.9

今週はバレンタインウィークとして、ムース・オ・ショコラがちょっとそれっぽいバージョンになります。



いつもはちょっとビターなオレンジピールのシロップ漬けが上にちょこんと載っていますが、それがイチゴに替わって、あとちょっぴりバラの香りのシロップがかかります。イチゴとバラのハーモニーは、なんだか不思議にライチを思わせるような香りになります。カンティーヌ業態だったらもう少し手の込んだこと、去年はやっていたのですが…



あと、入口アルコールのそばに、サービスチョコレート置いてありますので、選ぶ間、お待ちの間に、どうぞご自由にお召し上がりください。​

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2021.2.8

今月は、18日(木)の昼の営業を臨時休業とさせていただきますので、どうぞご了承よろしくお願いいたします。夜は営業いたします。



さて現在店内でご提供している殻付生牡蠣ですが、思ったよりもご注文いただけましたので、もう、昨年と同じようにレストラン仕様でお出しすることにします。エシャロットという薬味を添えて(らっきょう型の「エシャレット」とは違います)、「エシャロットビネガー」という仕立て方でご提供します。これは日本ではあまり知られていない食べ方ですが、個人的には一番のおすすめです。





ところでここからはまた例によって営業と関係のない話になります。戦国時代の話です。そしてまた例によってとても長いです。



7日(日)に放映されたNHK大河「麒麟がくる」の最終回を、本日観ました。衝撃の最期。こんな光秀像、そして信長像があったのか、と…これほどまでに切なく哀しい本能寺の変がありうるとは、想像したこともありませんでした。釘付けとなった1時間でした…。



大河ドラマの時代考証は、最新の研究をもとに常にアップデートされているそうです。今回の明智光秀像も、その結果の新たな解釈だったのでしょうか…いろいろな仮説はありえますし、いまから事実をとらえることは誰にもできません。



そういうふうに描かれていたのですから当然ですが、なんだか本当に、これが本当の真実だったのではないか…とすら思わされました。ちなみに私は、30年くらい前からずっと、戦国~安土桃山時代の話が大好きです。



思ったのは、これは紛れもなく「正義」の話であった、ということでした。正義とは、いったいなんなのか。



奇しくもこのコロナ禍で、このドラマが放映されることとなったのは、何か意味があったようにも思えました。



このお知らせ掲示板でも何度か触れましたが、私にとってはこの1年は、改めて「正義」の問題を考えるきっかけとなっていました。新型コロナウイルスの発生以来「見える」ようになった、数々の不条理…これらが「人間とは何か」「社会とは何か」「公平・公正・正義とは何か」という問題を、否応なく我々の眼前に突きつけていることを感じていた人は、少なくはないはずです。



日本だけでなく、アメリカでも、欧米でも、おそらくはその他諸国においても…それまで「公共の良識」や「正義」とされてきていたものに反対する力と思想が、一気にここぞとばかり、力で押し切り、暴走し、実効的な存在感を得てしまう機会を持った、現代史上まれに見る状況となっていたように思います。つまり、「反知性主義」「反科学主義」そして「『個人の自由』を盾にした『実質的な反社会的思想』」という少数派が持っていた力の及ぼす影響力が最大化してしまうような土壌が、そろってしまったのです。これはさらに余談になりますが、ミャンマーでのクーデターも、そういった世界的空気感の延長線上というか、触発された部分があったのではないかとも思えたりします。



ただ、少なくとも日本においては、報道されている限りにおいては、多くの人がそのことに気づき、これではいけない、と考え始めているようにも思えます。次から次へと明るみになった、言ってることとやってることが違う政治家の緊急事態宣言下での行動や、総理大臣さえも操れるほどの権力が裏で蠢(うごめ)いていた政治の構造や、最大の国際スポーツイベント開催国の責任者の差別的思想が明るみに出てもそれを何も変えることができない力や利権の関係などが見えてきたとき、まだ平和的民主的に我々には投票権という力が残されていることを思うと、これはやはり現代における最後の正義の砦なのか、という思いを強くして乗り切ることができそうな気がします。実際、それを最後の最後で体現できる姿を示してくれたのが、アメリカでした。



光秀は何を思ったのか。



「自分がやるしかない」それだけの思いで断行するしかなかった、孤軍の闘いでした。いくらそれが光秀にとっての「正義」であったとしても、あるいはそれがもし本当に本当の意味で真実唯一普遍、正真正銘の「正義」であったのだとしても、あの形で行使された「正義」の力は、結果としては存続することができませんでした。



「正義」を力によって勝ち取ったと喧伝されるものは、たいてい、その反対の結果に終わることは、歴史が我々に教えています。フランス革命しかり、アラブの春しかり。



私は元来、「悪は打ちのめされるべきだ」「不正者は滅ぼされるべきだ」と考える傾向にあります。その一元的な考え方は正しいと限らないとは、ここまで生きてきてなんとなくわかっていながらも、反射的にそう考えてしまう人間なのです。だから今回描かれた光秀の考え方は、わかる気がします。しかしだからといって、それをそのまま、実行に移すことが、イコール正義とは限らない…では正義とは、いったいなんなのか。



​本当に切なく、哀しい結末でした。

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2021.2.6

昨日お知らせした「たっぷり野菜のミネストローネ」の写真を、facebookとインスタグラムにアップしました。と思ったらすでに今回仕込んだロットは残りわずかなので、また次のスープに替わると思います。



日替わり商品やスポット商品の商品写真に関しては、固定情報ではないためとタイムリーさを保つために、今後はfacebookとインスタグラムに予告なしにアップしていくことにします。HPをご覧くださっている方には申し訳ありませんが、どうかご了承ください。



ですがいずれにしてもHPが最新の公式情報の場であることは変わりません。日替わり商品に関しても、文字ベースでのお知らせはこの掲示板でも引き続き行ってまいります。

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2021.2.5

今度は日替わり「本日の食べるスープ」の新味のお知らせです。本日より販売開始しておりました。

「たっぷり野菜のミネストローネ」



カンティーヌ時代の定食についていた定番の野菜スープとほぼ同じものをベースに、具材の割合が多くなっています。これもショートパスタ、チキン、冬の根菜が入っていて、なかなかいいバランスになりました。



しかし写真を忘れました。後日また改めてアップいたします。

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2021.2.4

キッシュの新味登場です。



1月は百合根のキッシュがとても好評いただけました。ありがとうございました。今回は、これも真冬のこの時期が旬となる「ちぢみほうれん草のキッシュ」登場です。



ちぢみほうれん草とは、寒さで葉が厚くなって縮れて甘みが凝縮した、この時期だけのとてもおいしいほうれん草です。最近はスーパーでも取り扱いのあるところがあったりするので、ご存じの方もいらっしゃるかと思います。



今までキッシュの定番具材でありながらも常に脇役だったほうれん草が、とうとう主役となります。チーズとベーコンも入って、とてもおいしいです。商品ページに写真をアップしてあります。

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2021.2.3

「厚切りサガリの焼肉ステーキ」先週末もまた少し反響がありましたので、今週末も金、土、日で販売いたします。今週の状況によっては、今後も週末商品としてしばらく販売を続けてみます。



あと、衝撃商品の第二弾です。



殻付き生牡蠣、店内で召し上がれます。(!!)



保健所指導的に、殻を開けた生牡蠣はテイクアウトにはできないのですが、当店は今でも飲食店なので、店内でお召し上がりになる分には問題ありません。



昨年カンティーヌ業態時代に出していた兵庫県室津産の牡蠣がとてもおいしく、牡蠣好きのお客様からもかなりご好評をいただいていたので、今年も味見に取ってみました…そしたら変わらずものすごくおいしかったです。特に今から3月にかけてが、最もおいしくなる時期です。



そういうわけで、こっそり冷蔵庫に在庫しています。半分くらいは自分用にですが。ちょっとした隠れメニューなので、おっしゃっていただければその場で殻をむいてお出しします。1個税込450円です。



つるっと一口なので、お好きな方はご注文をお待ちの間にどうぞ。プリッと大きく、ミルクのように濃厚です。赤ワインビネガーで食べる、フランス式です。



試しにインスタグラムにこの牡蠣の写真をアップしてみたので、ご覧になれる方はぜひお参考ください。Facebookにもアップしてあります。

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2021.2.1

先週から販売している「本日の食べるスープ」これはなるべく本当に「本日の」と言えるような単サイクルで内容を変えていこうと思います。作りたいスープは気まぐれ好き勝手に作っていく予定です。中には必ずショートパスタ、チキン、季節の野菜が入ります。写真撮影が間に合わなくとも出してまいります。

今週は「バターナッツかぼちゃの濃厚ポタージュ」から始まります。



そしてちょっとした気まぐれスポット商品類は、このHPの商品一覧ページに載せるのではなく、今後なんと、インスタグラムに写真だけアップしていくことを考えています。漠然と考えているだけなので、実行に移さない可能性もありますが…実はこっそりアカウントだけは、店のオープン時から用意はしてあるのです。



現時点でも、スポットすぎる商品の写真はFacebookにのみアップして流してしまっていることがありますので、よろしければそちらもご確認ください。



どちらも、ユーザー名はtonkatsucantine​です。



いずれにしても、SNSに依存しない運営ポリシーですので、どちらもソーシャルネットワーキングのツールとしては実装せず、店からの情報配信ツールという位置づけとしての利用となります。

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2021.1.27

小刻みお知らせ最終です…



先々週に、新商品というか気まぐれ商品としてお知らせ、販売した「厚切りサガリの焼肉ステーキ」ですが、予想より反響がありましたので、今週末の金曜~日曜にかけて、再度販売予定です。

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2021.1.26

小刻みにお知らせしたいことはまだあります。



​・メカジキのカツレツが、ミニサイズ化します。今までの6割程度のサイズになって、600円(税込)となります。



・各種BOX系商品に入っていて、なにげに隠れて人気の高いフライドポテトですが、それもそのはず、あれは実は業務用冷凍ポテトの中ではピンの部類に入ります。あまり知られていませんが、フライドポテトにも、実はいろいろグレードがあるのですね。味付は当店独自のミックススパイスです。ご要望がしばしばあったので、単品商品化することとなりました。BOX系商品に入っている量の1.5倍程度の量で400円(税込)で販売いたします。



・そろそろ節分です。入口お会計カウンターに、柊(ひいらぎ)と升の豆がおいてあります。豆はフリーのおやつです。どうぞご自由にお召し上がりください。私もひまなときにつまんで食べています。

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2021.1.25

お知らせしたいことが小刻みにいろいろありましたが、ちょっと事情によりアップが滞っていたので結局まとめてのご連絡になります…新商品いくつかご案内です。



まずは、今後スープ商品を出していきます。デリ業態開始当初にカンティーヌ業態時代の野菜スープの素を販売していたのですが、事情により販売終了することになり、それ以来、ちらほらと復活リクエストはいただいていたのですが…コンセプトを再考しました。今度は、お食事になる「食べるスープ」商品となって再登場します。



日替わりでいろいろな種類が登場する予定で、必ずショートパスタ(これも日替わりです)が入ります。第一弾は、「チキンと冬野菜の帆立チャウダー」。クラムチャウダー風のクリームスープで、ベビー帆立とチキンと野菜とパスタが入っています。冷たい状態でカップ入りのお渡しで、そのまま電子レンジで温められます。



次の新商品は、グラタン第二弾で、「オマール海老のビスク風味のマカロニグラタン」なめらかな自家製ホワイトソースで作ったシーフードグラタンに、オマール海老のソース(ビスク)がアクセントとなって、ちょっとリッチなレストラン風グラタンになります。

ちなみにマカロニグラタンというのは語呂がよいので名前にしましたが、実際はマカロニではなく上の日替わり食べるスープで使っているショートパスタを援用するので、いろいろなパスタが入ります。



注※これもアッシ・パルマンティエ同様、グラタン皿があること前提での中身のみ販売の商品です。



あと、秋以来販売休止していたサラダBOX「野菜大好き!ベジサラダBOX」がこっそり復活しております。今回はラタトゥイユではなく、火通しした冬野菜がゴロゴロと入りました。



​いずれの商品も、商品一覧ページにアップしてありますので、どうぞご参照ください。

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2021.1.15

自分でも衝撃の新商品が出ます。まさかの「ステーキ」登場です。



でもこれはいわゆる一般的にイメージされるステーキを、焼きっぱなしでドンとお渡しするわけではありません。そのやり方では絶対にご家庭に持って帰ってベストな状態で食べることはできないので、肉を焼いたものを商品にするつもりは、長らくありませんでした。



しかし昨年の一年間の試行錯誤の蓄積の結果、、、驚きのステーキ商品の誕生となりました。



その名も「厚切りサガリの焼肉ステーキ」。

大きなステーキではなく、ミニステーキです。ミニひれかつとだいたい同じくらいのサイズとなります。牛肉のサガリという、ハラミに似た柔らかく味の濃い赤身の部位、これは焼肉にするととてもおいしいのですが、これを分厚く切って、まさしく焼肉のような感覚で一気に焼き上げてレア~ミディアムレアくらいのステーキにしました。これを冷蔵して、冷たい状態でお渡しします。



これを、オーブントースターで4分焼いて、そのまま4分放置します。するとなんと、ほぼ焼き立てに近いような状態に戻りました。かなりおいしいです。ミニサイズですが、軽いご飯一膳くらいは余裕でいけます。



商品一覧ページに写真をアップしてあります。実際はこの写真よりももう少しレア気味にしてあります。





あと、「活き活きグリーンサラダ」、「一日の健全野菜盛り合わせ」に、ハーフサイズをご用意しました。1人前にはちょうどよいかと思います。ステーキとの相性は抜群ですので、ぜひご一緒にどうぞ。

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2021.1.14

リマインダです。明日15日の昼は臨時休業とさせていただきます。夜は営業いたします。

店頭に告知を貼り忘れました。申し訳ございません。



あと営業に関係ない情報なのですが、音楽の話です。

例によって長くなりますが、音楽にご興味のある方はぜひどうぞ。



店主は芸術全般が好きですが、音楽は特に好きです。

店内のBGMは全て私の個人的な趣味のCDコレクションをかけているものです。

1月は正月を意識して、何か日本ぽい音楽をかけたいなと思っていたのですが。



年初からかけているピアノ曲のBGM、ご入店のタイミングによって、「クラシックかな?」「前衛音楽か?」「なんとなく日本的なメロディだけど…」いろいろと違うように感じられた方がいらっしゃるかもしれません。しかしこれらは全て、同じ作曲家による音楽です。



その作曲家とは、山田耕筰。昨年のNHK朝ドラ「エール」で、志村けんが演じていた小山田耕三は、この山田耕筰のことです。志村けんが亡くなられてしまったので、小山田の登場は途中でぷつんと止まってしまいましたが、あの意味ありげな視線など、もともとは話にもっとからんでくる設定だったのではないかと思います。



山田耕筰は童謡の「赤とんぼ」や「この道」で知られます。小学校の音楽の授業ではそれくらい教わるかもしれませんが、ほとんどの方はそれ以来忘れてしまうはずです。覚えていたとしても、この2曲以外を知っている方はほぼいないと思います。なんとなく童謡作曲家かなくらいにしか認識されていないはずです。小山田耕三は山田耕筰じゃないかと気づかれた方は少なくなかったかと思いますが、「エール」で描かれた、当時の音楽界におけるあの絶対的な大御所という立場には「?」とも思われたかもしれません。いったい、どんなすごい音楽を作る人だったんだろう?とも思われたのではないでしょうか。



山田耕筰は、経緯があってある時期以降童謡を作り始めてから以来のことは現代でも知られていますが、童謡を作曲し始める以前の時期に作っていた器楽曲は…ずっと長いこと、ほぼ全く顧みられることもなく、演奏されることもなく、埋もれたままになってしまっていました。



実は私の友人にピアニストがいるのですが、彼女が数年前、山田耕筰に関心を持ち、自身で山田の自筆譜に当たってみるところから始めて、史上ほとんど初めての試みとして、山田の音楽を掘り起こし、解釈して、2018年にCD化しました。それまでは、山田の器楽曲で、音源化されたものは、ほとんど存在していなかったのです。



このCDは、音楽の専門誌でかなり高く評価されたらしく、記事も見せてもらいました。西洋音楽を基礎にしつつ、当時の日本では理解されなかったほど前衛的で、しかし和音階なども取り入れたどこか日本的なメロディなど、ただの童謡作曲家では全くないクラシックの山田耕筰の姿が浮き上がってきます。



と、いうわけで、今店内でかかっている音楽は、このCDです。おそらく今現在においても、ほとんど唯一の、ちゃんと演奏されてCD音源になっている山田耕筰の音楽です。源氏物語をテーマにした「源氏学帖」など、日本人のクラシック音楽家ならではといった曲も含まれています。



​「エール」を観てご興味持たれていた方は、ぜひちょっとお聴きになってみてください。1月中はこのCDがかかっている予定です。

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2021.1.12

いくつかお知らせがございます。



① 直前で申し訳ないのですが、15日(金)の昼を臨時休業とさせていただきます。夜は営業いたします。



② ピタパンサンドBOXに、「ベトナムサンドイッチ バインミー風サンド」が追加されています。バインミーというのは、ベトナムの旧宗主国フランスの文化と、ベトナムの本来のアジア文化が融合して生まれた独特のサンドイッチで、現地ではもはや伝統的な日常食となっています。アジア料理好きにはたまらない、不思議で絶妙なコンビネーションのサンドイッチです。商品一覧ページに写真をアップしてあります。



③ 新春1月らしいキッシュ新味「百合根(ゆりね)のキッシュ」が登場します。ほっくりなめらかな舌触りと優しく上品な甘みと香りは、キッシュの新境地を切り拓きます。これも商品一覧ページに写真をアップしてあります。



④ 「紫キャベツと大根のマリネ」というコンビネーション商品だったものが、単体の「紫キャベツのマリネ」に変わっております。3連休中にサラダBOXを買われたお客様には、ご説明を失念してしまいました。大根のマリネが入っていなかったと思います。その分にんじんと紫キャベツが増量になっておりました。量は変わらず、100g/300円、50g/160円となっております。

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2021.1.6​

皆様、明けましておめでとうございます。

旧年は社会ともども誰にとっても、本当に大変な一年でした。



正直言うと、心折れそうになったことが何度もありました。というより、常に折れる一歩手前くらいの状態が続いていました。それでも、ご利用くださった全てのお客様のおかげで、そしてまた時にお声がけくださったご支援と応援のお言葉のおかげで、なんとか生き抜くことができました。



この感謝の念は、決して忘れません。この思いだけでも、もしかしたらコロナにも意味があったのかもしれないとすら思えます。



ところで、年内営業終了したら、我が身に何か起こるのではないか…という昔からの的中率が異常に高い私の悪い予感どおり、新年の明けたある朝、突然右肩に激痛が走り、右腕が上がらなくなってしまいました。肩の筋肉が炎症を起こしており、治るにはしばらくかかるそうです。原因は全く不明です。新年明けの営業開始日を決めておかなくて本当によかったです…



というわけで本日まで静養していましたが、休み続けるわけにもいかないので、ゆるゆると無理しない範囲で、9日(土)から新年営業を開始いたします。



また、11日(月)は祝日なので営業し、翌火曜日を休業といたします。



しかし身体の状態が状態なので、申し訳ありませんが最初はあまり商品種類が並ばない可能性が高いです。お手数ですが、「本日の販売商品リスト」をどうぞご参照の上お越しいただけますと幸いです。



それから…今のデリ業態は、やはり当分の間続ける予定です。よほど安定に向かわない限りは、カンティーヌ業態(飲食業態)に戻すことは、今のところ考えておりません。



本当は、始めた当初から、葛藤もありました。

そもそも本来、こういう物販業は、商品製造担当の機能と販売担当の​機能が、分かれていることが鉄則なのです。商品を作る人間は作り続け、売る人間は売り続ける、というように。



一人で作って会計して、というオペレーションは、お客様にとっての利便上、通常はタブーであり、それを無理やり行っているために、お客様も相当お待たせすることになっていますし、数をさばかなければならない業態なのに、同時並行業務が何もできない、ということになっています。

そのことをわかっていながらそのやり方を続けていることは、今でも罪悪感がありますし、申し訳ないという思いはずっと抱き続けています。



しかしそれでも、この社会情勢に鑑みて、当店として今お客様にどんなサービスを価値として提供できるのかと考えると、やはり今のやり方を続けよう、という結論に至った次第です。



それに関して、商品ラインナップにも、もう少し変化をつけていきたいと考えています。ロゴのキャッチコピーにあるように「今日はちょっとレストラン気分で、おうちごはん。」なときにご利用いただける店としてコンセプトを構えましたが、やはりこれだけ事態が長引いてくると、必ずしもレストラン気分なときだけでなく、もっとより日常の中にある存在として認識してもらえるような店でありたいと思っています。





さてここからは蛇足になります。あまりにも長すぎる蛇足です。とはいえ、これからとんかつカンティーヌをどういう店にしてゆこうかということに関するお話です。





2020年は、改めて非常に困難な年でした。未知の新型ウイルスによるパンデミックという社会の混乱は、経済に対して甚大すぎる打撃を与えたのみならず、社会に潜んでいた多くの問題をもあぶり出しました。すべてが「見える化」されたのです。



これが、私にとっては非常に困難なことでした。自分自身の中にある「困難性」のようなものに、コロナ禍はじまって以来の長い間ずっと苛まれ、苦しむこととなりました。



それは、自身の事業継続の経済的不安や困難とは全く別の次元で、平行して、いや相乗効果で、私の精神を蝕んでいきました。



私は思想信条的にやや極端で固定的なところがあり、それは自分で自覚はあるのですが、だからといってそれを意識的に軟化させるのはとても難しいことでもあり、これがストレスのかかるジレンマとなります。



学生時代より、私が人生を生きる上で一番関心のある問題――「幸福とは何か」。

それは経済合理性に還元されえない「道徳とは何か」という問題に根を持ち、さらにより普遍的抽象的な「善とは何か」まで敷衍(ふえん)され…そしてそれらすべては、互いに関わり合いながら生きることが宿命づけられている社会的動物としての人間の「公共性とは何か」という哲学につながっていく問題です。



専攻は教育哲学・思想史でしたが、こんなことを考え続け、一旦サラリーマン生活をしても考え続けることを止めることができず、結局、この問題を人生賭けて追及するには、「食」という人類普遍の見地から、世界を新しく切り拓くしかない、という結論に達し、料理人に転身しました。



この「公共性」の危機が、コロナ禍で「見える化」されてしまったのです。



不足するマスクに殺到する人々から始まり、自粛警察や心無い誹謗中傷と差別、コロナなんて我関せず、マスクをすら決してしようとしない人々、マスクもせず感染対策取らず営業を続ける飲み屋居酒屋、そこで平然とコロナ以前と変わらず飲み食い騒ぐ人々、なぜか飲食業にだけ手厚い補償政策、その事業者向け給付金の虚偽申告と不正受給の横行、医療従事者の負担激増にも関わらず繰り返される彼らへの誹謗中傷と差別と待遇の悪化、全く客数減にならず満席が続いていた話題の有名レストランの数々、しっかりきっちりと感染対策を取るような店であればあるほど客数が戻らないという一般飲食店の皮肉な逆説、トランプと米大統領選挙、公平性や問題解決性からかけ離れたGoToキャンペーンの制度設計、「自分たちくらい、今この場くらいは、まあいいだろう」という自己特別視で会食を続けていた政治家…



どれもこれもが、ばらばらにミクロで見た場合は「やれやれ、まったく…」という程度の問題かもしれませんが、これら全ては、共通したひとつの土台の上に形を変えて現れている、「公共性の崩壊」につながる思想の一端です。



端的に言って、「自由」がその根拠を忘れて原理主義化し、担保を要しない免罪符となってしまっているこの現代世界を象徴している現象のように見えました。



忘れてはならないのは、我々が「自由」を謳歌できるのは、安全で秩序ある社会の安定――「公共」がまずあってこそ、です。それが、今のこの現代の自由民主主義と資本主義を支える土台と骨格の原型となった、18世紀啓蒙主義期以来の思想的発明である、社会契約説なのです。「公共」をないがしろにする「自由」は、本来は正当な根拠を持ちません。



このパンデミックは、全世界的にこの「公共」が脅かされる事態となりました。最も皮肉な一時的帰結は、この「公共の危機」をいち早く切り抜けたのは、中国の全体主義と統制主義だった、ということです。しかしだからといって、それが理想的な社会体制だなどとは結論できないいくつもの理由があります。にも関わらず、民主主義国家からはその正当な反論ができず、全体主義への見直しすら世界の一部では起こっている現状があります。



私はこれらの問題に苦しみ続けました。先にも述べたように、精神を蝕まれていたのです。この現状を、見ないわけにはいかない。考えないわけにはいかない。黙って許すわけにはいかない。



そのようにして、心の安定を​失いました。常に心のどこかでイライラし、はけ口のない怒りが沸き、積もり続けていました。「公共」の意識を持たず、自身の「自由」を最優先する思想の力の根強さと、その数に対してです。それが、全て、「見える」。特に、自分の生活圏内で、それがあまりにも間近にあることが、多すぎました。それが一番「見える」のは、自身の一日の仕事を終え、自宅に帰るまでの間の時間だったのです。



そういった種類の心の不安定は、攻撃的で排斥的な思想に自分を駆り立てます。ある脳科学者の言葉を借りるなら、「正義中毒」に冒された状態に陥っていたのです。これが自分の精神にあらゆるネガティブさをもたらすこととなり、事業に関する経済的不安や困難との相乗効果で、さらに追いつめられていくこととなりました。



しかし……それは本当に、「正義」の怒りだったのだろうか?



これが、同時に私をとらえていた問題でした。自分が考えているのは、果たして本当に、正義の問題なのか?それとも、自分の潜在意識のどこかにある妬みやコンプレックスのようなものが、「正義」の形に擬態することで、誰かを悪者扱いして自分を正当化しようとしているだけなのではないのか?

もはや、最終的にはもう何もわからなくなっていました。



年末、全ての営業を終了したあと、私は実家に帰りました。よくないのかもとは思いつつも、「まあいいや」と自己特別視をして、帰りました。都内だったので電車をいくつか乗り継ぐ程度でしたが。



そして、両親と兄夫婦と姪と甥とで、新年を迎えました。マスクせずに家庭内で会話をし、近くを散歩しました。最初はかなりの違和感がありました。すでにそのことだけで罪悪感を感じるほどに私の「正義」は凝り固まっていましたが、だからこそなお、あえて、そのようにしました。

そして、親族で集まったわけではなかったのですが、たまたま親戚の伯父、伯母と会話をする機会を得ました。マスクなしで、です。田舎の端っこなので、やはり都心部ほどには皆気にしていないのです。



そうして思ったのです。



「自分は、極端すぎる。」



永久凍土のようになっていた自分の中の「こうあるべき」正義が、融けだしていくようでした。こわばっていたしこりが、それが癌のように硬直化して自分を侵食しそうになっていたものが、ゆるやかにほぐれていくのを感じました。



そもそも、小さな子どもが2人も家庭の中にいたら、もうその世話だけでてんやわんやなわけです。子どもがすべての生活のペースの基準となります。公共性の問題や自由の概念について考えるあまりに怒りをため込んでいるひまなど、ないのです。



そうしてみんな誰もが、必死で毎日を生きている。それが普通で、当たり前のことなんだと思いました。つまりそういう意味において自分は、ヒマだったのです。



今までは、自分の直接の損得に関係ない事柄に常に関心を持ち、怒りを感じることができるということこそが、社会正義を考える原動力となると信じていましたが、それも時として理念原理主義的であり、ヒマであるがゆえにそうしてしまわざるをえないことだったのかもしれない…と少し思いました。



とにかく、もうずっと長いこと、何も私的なコミュニケーションをとっていなかったのです。他者との意見交換の欠如は、ひとえに、独善と独断を硬直化させます。事業運営において孤独であることは覚悟の上で独立しましたが、やはり孤独は精神にまで知らず知らずに影響を及ぼすものです。



そういうわけなので、だいぶ長くなりましたが、今年のとんかつカンティーヌの運営は、もう少し思想的にゆるめに構えて臨むことを抱負といたします。その姿勢がいつまで保てるかはわかりませんが…



ただそれでも、私は、思想は完全にニュートラルではあるべきでない、と考えています。



父親から言われました。「あまり思想信条に関わることは、HPなどで書くべきではない」と。

確かにそのとおりなのです。少なくとも、一般的には。そして特に、飲食店という業種においては。その行為がもつ弊害や悪影響は、必ず生じ得ます。お客様を不快にさせることもありえます。



しかし、一般的なことしかしていなかったら、一般的な店しかできない、ということもまた事実です。無難なことしかしなかったら無難な店しかできず、誰にでもいい顔をしておこうという姿勢でいたら、誰にでもいい顔をするような店しかできないのです。



私が独立にこだわり、全てをまず一人で作ってみようと思ってとんかつカンティーヌを作った理由は、単に「金を稼ぎたい」とか「自分の料理をうまいと言わせたい」ということではなく、自分が考える社会の問題に対して向き合うこと、そして問題解決のために何がしかの行動を起こすこと、が第一です。その意味で、最初から思想性を帯びている店なのです。そのことを失ってしまったら、即、とんかつカンティーヌの存在意義も失われてしまうのです。



とはいえこの半年間くらいの間、何度か、先に書いたような様々なイライラやその他の理由によって、最大瞬間風速的に思想的に少し強硬になったときがありました。近隣のお客様にとってはお気づきにならないようなところで、それが見え隠れしていたと自分でも自覚しています。それを見て、当店へいらっしゃることをやめた方もおそらくいたことでしょう。



しかしそれでさえも自分の中の真実の一つとして、今さら修正するとか弁解するとかいうことはせずに、そのままにしておきます。それはコロナに関係なく、私の中の根強い信念の一つである「アンチ・(昨今の)グルメジャーナリズム」の一端だからです。





私的な事情の吐露は、まさに蛇足だったかもしれませんが、しかしこれも年初の自分自身の気持ちの整理として、書き留めておくこととしました。

ここまでお読みくださった方には、心より感謝を申し上げます。



​この一年が、皆様にとって、何か今までとは違った実りのある一年となりますよう…

そして我々人類にとって、困難の中から何か本当に大切なものに気づけるような、そんな一年となるよう。



​本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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