とんかつカンティーヌの、これから~ ⑫とんかつカンティーヌ+(プラス)は、どうなる?その1 〜かつての「トンデモ制約条件」


(つづき)


そんなわけで、カフェ業態はカフェ業態として、今の期間は、楽しんでいただける方に楽しんでいただけたらいいな、と考えています。


デリ業態になってから多くいらしてくださるようになったファミリー層のお客様にとって利用しづらくなってしまうのは、心苦しく残念ではありましたし、申し訳ない気持ちもありました。


しかしながら、実はそのことに関して、デリ業態が終了した今、改めてお伝えしておかなければならないことも、あります。


以前にもお知らせとして書いたことがあったのですが、かつて「とんかつカンティーヌゆめみるこぶた」は、


「3名以上でいらっしゃるお客様にとって、非常に利用しづらい」


という特性(?)を持った店でした。このことは、当時を知る多くのお客様にとって、けっこうよく知られることとなっていました。


理由はいろいろありまして、


・まず、6席しかない。


・一人仕事のため、営業時間中、営業時間外を問わず、電話の対応ができない(無茶なオペレーションになり、結果としてお客様に対するサービスレベル低下につながるので、「しない」と決めていた)


・したがって、電話で予約受付ができない。普通の感覚で気軽に予約できる制度が基本的にない。


・同様に、電話で「今は席に空きはありますか」という問い合わせもできない。


・いずれにしても単価の関係で、そもそも予約制にしてしまうと採算が合わなくなることが、開業後しばらくしてから判明していた。


・ゆったりしたお食事を楽しんでもらうためにお客様滞在時間を長く設定していたので、「来たときに空席がなくて入れなかったら、外でしばらく待っている」ということも事実上できなかった。


という、いくつか挙げただけでもこれだけのトンデモ制約条件のオンパレードでした。


もともと開業時は、「一人仕事で、そこそこ手をかけたこともやるつもりだし、対応できるのは6席がいいところだろうな」という考えだったため、最初から1名〜2名のお客様をメインターゲットと想定し、営業するイメージを描いていました。


そして実際、滑り出しはそのとおりでした。お一人のお客様やご夫婦でのご利用がほとんどで、よしよし、これならいけそうかな、という感触でゆるやかにスタートしていました。


「しかし」、、、


ありがたいことに、そして、料理人としての冥利に尽きることに、


それと同時に「え…!?そうか…そういえば…そりゃそうだ……」という思いがけない誤算に青ざめるような感覚とともに、


だんだん、「家族を連れてきたい」というお声を、よく聞くようになってきたのです。特に印象に残っているのが、「おじいちゃん、おばあちゃんを連れてきたい」というご要望でした。


私の、浅はかで愚かすぎる、考えの至らなさでした。

なぜ、「おいしいものを見つけたから、家族にも食べさせてあげたい!」という人の心を、想定しておくことができなかったのか?


ひとえに、愛するものも守るものもないまま、自分の技術習得のためだけに長い時間を生きてきた自分の、孤独な世界観の現れだったようでした。おいしいものを、家族に食べさせたい。そんなシンプルな愛を、私は考えていなかったのです。自然にそう考える心の働きを、失っていたのです。


自分自身がショックでした。そうして、気づきました。自分の店は、家族を幸せにすることができない店だったのだと。自分の独りよがりのせいで。


途中でいろいろと、リアルタイムで空席確認ができるシステムを導入してみたり、多少手間はかかるけれども予約制度を導入してみたり、とはしてみましたが、その形のままでは根本的に、噛み合わないギヤは決してスムーズに回ることはない、という感覚を得ていました。


だからこそ、です。

とんかつカンティーヌ+は、そういった事業モデル設計の甘かった部分、細部まで詰めきれていなかった部分を、修正し、モデルチェンジする形にしようと考えています。

この2年で、こんなにいろいろと大変なことが起こってしまったおかげで、奇しくも、新しく設計しなおし、再スタートできる機会を得ることができたのです。


(つづく)



閲覧数:33回0件のコメント

最新記事

すべて表示

(つづき) 「とんかつカンティーヌ+」がどんな店になる予定なのか、 そこにたどりつくまで今まで考えてきたこと、 そのように考えるに至らしめた背景、 それらをこれほどの時間をかけてまで、なぜ公に説明する必要があると考えたのか、 恐るべき長さの連載となりました(笑)。 ここまでの文章をお読みくださった方には、本当に、心からの感謝を申し上げます。 すべて通してではなく、断片的な読み方であったとしても、

(つづき) 政治は、これからの日本の形を、どう描くのか。そのために、企業は、どう資するのか。その結果市民は、どのように行動するのか。 そして飲食業は、どのように変わるのか。 それが私の、今なすべきことです。 私は、⑰番の投稿の中で、これから飲食店がいくつかのパターンに分かれていくのではないか、と予想しました。 その中で私自身は、④の戦略を採ります。 リモートワークであるか否かを問わず、単身暮らし、

(つづき) 事態がこれほどとんでもない方向性に向かっていきつつあることがおそらく確かになってきたからこそ、 ではその新しい世界において、求められる店の形とは、求められる事業の形とは、求められる付加価値とは、何か?ということを、考え詰めることができました。 これがもしも、 なんとなくコロナ禍が明けて、なんとなく生活も意識も元に戻ったのか戻ってないのか、なんとなくこれから戻っていくのかそれともなんとな