とんかつカンティーヌの、これから~ ④消費者市場をはるかに上回る業務用食材高騰の状況

(つづき)


これまでもたびたび投稿の中で触れてきたとおり、そして前回の【カフェ業態を始めた今、考えていること】の連載の中でも言及していましたとおり、飲食店用の業務用食材を取り巻く価格の高騰は、他の製品分野に負けず劣らず、記録的な勢いと上昇率で進んできていました。


今になってようやく、とうとう、食品の消費者価格も上昇が始まってきましたが、個人的には、これは今始まったばかりのところ、と見ておくのが正しいんじゃないかと思っています。私の予測では、これから秋、あるいは秋以降から冬くらいにまでかけては急激に、その後も断続的に、影響範囲を拡げながら、続いていくのではないかと見ています。

(※この連載の文章は、7月中に書かれたものです)


すでにお話ししたように、これは「コロナ禍の影響」によって(「ウクライナ情勢」ではなく)2021年半ばから起こっていた事態が、とうとうコップの水があふれて消費者にまで影響が広がり始めたというところだと考えています。

ウクライナ情勢の影響がこれから計り知れなくなってくる可能性もあるので(まだわかりません)、実際にはコップがあふれたどころか、ダムが決壊したというくらいのインパクトを持ってくる恐れもあります。


今年になってから拍車がかって毎週のように押し寄せ始めた、食材業者からの値上げ通知の波に、私は3月くらいの時点で、この状況が続くようなら、デリ業態はもう無理だ、という感覚を得ていました。


それ以前から、マグレ鴨が入ってこない、ポテトが入ってこない、生ハムが入ってこない、という立て続けの商材切れ状況に見舞われていて、

(これはコロナによる物流の影響だけでなく、日本ではほとんど報道されていなかったヨーロッパの鳥インフルエンザ、アフリカ豚熱などの流行も関係していました。世界には、ニュースで報道しきれないくらい、過去にめったになかったような危機が頻発しています。)


そのうえサーモン(マリネ用)、牛肉(ローストビーフ用)、植物油(揚げ物用)、冷凍魚介類(魚介マリネ用)など人気商品用食材が、すでに一年前の1.5倍を超えそうな水準になっていたことなどもあって、計算し直してみたら、もはや商売を続けていくべき状況ではない、と結論するには、時間はかかりませんでした。


さらに加えて、4月も半ばにさしかかってきたあたり—―。突然ガクンと客足が減り、売上が急落しました。デリ業態になって以来、初めての急激な落ち込みでした。


最初のオミクロン株も落ち着き、行動制限もなくなったタイミングでした。そして「私自身が」、ああ時間とお金があったら、どこか外出とか旅行とかしてみたい〜と思うようになっていたタイミングでした。


これは、とうとう、自店のお客様含めて、そして自分も含めて、社会全体の意識が、同時偶発的に、いっせいに変わってきたに違いないぞ、という直感がありました。これはついに、アフターコロナの始まりだ、と。もう、テイクアウト(デリ業態)やデリバリーは、役目を終了するときに来たんだ、と。


ただでさえフレンチレストラン用の食材を使っていた商品が、ここからさらに食材高騰のあおりを受け、しかもこれだけの種類のデリ商品とその食材在庫に売れ残りリスクが高まってくるとなると、このままでは命取りになる。一刻も早く見切りをつけて、デリ業態を終わらせなければならない。


これはしかし、むしろいいタイミングとなるチャンスでした。


社会が本格的に動き始めているとしたら、おそらく5月のGWの売上は壊滅的になるはず。そうなったら、仮説は正しいと考えよう。5月末で、デリ業態は終了させよう。


果たして、テイクアウトビジネスはその社会的役目を終えたと自分の中で確信を得て、デリ業態を終了させることとなったのでした。


(つづく)

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