おうちでカンティーヌコンセプト
こんな時勢だからこそ。
2020年4月
「おうちでカンティーヌ ゆめみるこぶた」は、新型コロナウイルスの危機によって緊急事態宣言が出されるに伴って、こんな時勢だからこそ、という思いで、とんかつカンティーヌゆめみるこぶたが、近隣にお住まいの皆様、ひいては日本社会に対して提案することを考えた、新しいコンセプトのデリカテッセンブランドです。
新型コロナウイルスの出現によって、我々の(人類の)生活は一変させられてしまいました。全く予断を許さない状況であるばかりか、今やすでに、考えられうる限りの最悪の事態をすら、想定しておかなければならない段階にまで至っています。
外出の機会も減り、ご自宅でお食事を作る回数も増えているかと思います。その身体的負担や心理的ストレスも、じわじわと一般市民全員の心の余裕を、蝕んでゆくことが予想されます。
そんな時だからこそ、とんかつカンティーヌとして何かできないか、というテイクアウトサービスを考えていました。
これは単に、飲食店としての営業が立ち行かなくなる自身の売上を補填するための新しい販路としてのテイクアウト商品販売、という意味だけのものではありません。
心の余裕が失われてゆくということ、食の楽しみが制限されてゆくということ、ご自宅でお料理をされることの負担が増し、それがともすれば苦痛となってしまいかねないこと、それら全ては、食卓を囲むことの文化的な意味と豊かさをまで、我々から奪ってしまうことにもなりかねません。もしそうなれば、それは文化的損失であり、社会的損害だと考えています。
とんかつカンティーヌゆめみるこぶただからこそ、できるテイクアウトサービス。なすべきテイクアウトサービス。
それは、単純に「中食(なかしょく)」として、できあがったお弁当やお惣菜を販売することではなく、「食を通じて社会を豊かにする」という当店の理念を、体現したものでなければならない。
それを考えた結果、ご自宅でのお料理時間を、お食事体験そのものを、もっとワクワクできて、いつもより少しだけテンションの上がる、そして、ちょっとレストラン気分にしてあげられるような、「プロの料理のパーツ素材」を、「おうちでカンティーヌ ゆめみるこぶた」の名前で、デリカテッセンとして販売することを決めました。
あまりおしゃれなものでなくていい。特別すぎるものでなくていい。あくまで、家庭で作るのは、いつもの家庭料理。でも、いつものあの料理に、このパーツを加えるだけで、作る人も、できあがるのを待ってる人も、食べているときも、食べ終わったあとも、みんながちょっとだけ楽しくて豊かな気分になれるような、そんなテイクアウト商品。
お料理をするのが楽しくなる。お料理を見ているのが楽しくなる。ちょっとお料理に手を出してみたくなる。パカッと開けてすぐ食べられるサラダもおそうざいも、実はパーツとして工夫して使ってみれば、さらに新しい面白さに気づいたりする。そんな工夫の知恵を交換しあったり、お気に入りの一皿ができたら、写真に撮ってシェアしたり。気分は、おうちの中だけの、グランシェフ。
料理が、食が、この閉塞の期間に、少しでも光を照らし、笑顔を取り戻させてくれるもので、ありますように。
とんかつカンティーヌ ゆめみるこぶた 店主