とんかつカンティーヌは、とんかつカンティーヌでなくなってしまうのか?

ここまでのブログをお読みになられた方の多くは、そのように思われたのではないかと思います。特に、カンティーヌ時代(飲食業態時代)からお越しくださっている方は。


そんなことはありませんと即応したいところではありますが、実のところの答えは、イエスでもあり、ノーでもあるというところです。


そのことを少し丁寧に説明したい…少なくとも説明責任は果たしたいと考えているので、このように、長くはありますが、投稿を続けております。


このことについては、この1年近くの間、ずっと考えてきました。


昨年の4月9日、当店開業2周年のタイミングでお知らせ掲示板に投稿した長文で、カンティーヌ業態に戻すことが今後あるとしても、そのときには、元のままの価格で、元のままの形には戻せないだろうと、事前お知らせをした、あのとき。


そのときくらいから、うっすらと考えていたのです。これはもはや、そんな程度の問題ではないのではなかろうか、と。


まあいろいろと、本当にいろいろと、悩み苦しみ考え続けてきましたが、結論は…


「もう一度、イチからスタートするつもりで、やり直そう。」ということでした。



とんかつカンティーヌは、とんかつカンティーヌでなくなってしまうし、しかもなお、とんかつカンティーヌであり続ける。



とんかつカンティーヌが…私が、レストランでもない食堂でもない「カンティーヌ」という「業態」名を作って、新しい飲食業の形として、目指したものは、すべて、HPの「コンセプト」ページにあるとおりです。



空間はカフェ、

使い方は食堂、

体験はレストラン。



店の開業計画を考えていたとき、最初に自分の中で掲げたこのコンセプト。これは、自分の中では、良い思いつきだったんじゃないかと思っているし、おこがましいかもしれませんが、店のオープン後のお客様の反応を拝見していても、成功だったんじゃないかと、思っています。


しかし、実はこれは、「一人で」やるには、無理がありました。特に、「食堂」部分が。

料理にも、店のハード面、ソフト面でのメンテナンスにも、かけている手間に比して考えてみたら、「薄利多売」モデルすぎたのです。


薄利ってほど安いものでもなかっただろう、とカンティーヌ時代をご存じの方ならお思いになるかと思いますが、そのとおりで、これは、もっと店が大きくて、もっと席数が取れて、スタッフが数人もいるような体制であれば、おそらく成り立ったのです。しかし、一人運営で、一営業時間内で席を回転させなければならないということは、想定していたよりも無茶でした。結局、多売はできないということがはっきりしました。


でも自分の中での確信は、「この形そのものは、間違ってはいない」。


もう少し規模の大きい店を作れるようにさえなれば、自分が資金なりなんなりをもっと貯めて、そのステージに至ることができさえすれば、元のカンティーヌの形は、成り立つ。そして、空間はカフェ、使い方は食堂、体験はレストランという食事の場を提供する店として、「地域のための、いい店」に、きっとできる。そんな予感がありました。



だから決めました。


最初の「とんかつカンティーヌ」は、そのときのために、とっておく。

今は、いったん、大事に自分の中で、眠らせておく。



今は、「一人で」できて、経営的に、持続できることをやらねばなりません。



だからといって、コンセプトは、変えたくない。コンセプトは、けっして変えません。


それを変えてしまうくらいなら、私が店をやる意味はありません。自分が、どんな人の下にも就きたくない、自分がいいと考える店の形を、自分のイメージのままに作りたいと、独立して始めた店の意味は、なくなります。そんなことになるのなら、完全に閉店します。



ならば、どうするのか。



空間はカフェ、

使い方は食堂、

体験はレストラン。



食を通じて、社会を豊かにする。私が自分の事業で、成し遂げたいことです。



今、社会は変遷の移行期にある。そして、これからの来るべき社会にとって、価値ある食の場所が、必要とされるときにある。それが何なのかが、問われるときにある。

そう、考えています。


「カンティーヌ」という業態の、コンセプト、そしてそこで想定されているお客様の人物像、使ってほしいご利用場面、などは、HPの「コンセプト」ページに記載されているとおりです。

開業の時点では、ファミリーユーザー層のご利用は、基本的にはあまり想定していませんでした。理由はひとえに、6席しかなかったからです。


今後…これから、店内飲食を再開するにあたっての今後は、ここに、「ファミリー層にも使ってもらえる店」、という立ち位置を、組み込んでいこうと考えています。


そうしようと思ってすぐできるほどに簡単ではない制約条件が、席数の問題以外にも実にいろいろありまして(カンティーヌ時代にいらしたことのあるファミリーのお客様にはその「使いづらさ」がよくおわかりだったと思います。それでも何度も来てくださったお客様には、本当に感謝しています。)、それをどうやったら解消できるのか、ファミリーご利用が可能になりうるのか、ということを、考え続けてきました。



このブログですでに何度か触れたとおり、私は、これから社会は、コロナ以前と比べて、だいぶ違った姿になると予想しています。いや今すでにそうなりつつある、定着化の過渡期にあると思っています。(参考:4/21投稿「やっぱりレストランをやりたい」)


物価は全般的に高くなり続け(…あるいは、物価が上がるのではなく、「『質』が下がった社会」になる可能性も、なくはありません。そうなったら、今度こそ、日本も終わりに近づくでしょう…)、生活習慣としても自宅で過ごすこと、地元近辺で用を済ますことがなんとなく自然になり、必要な、あるいは不要な、外出費、外食費の意味を考え直すことも多くなった今、さらにここから(ウクライナ情勢の影響などで)まだ見通せない未来、というこの状況で、何に、どのようにお金を使うべきか?



もともとのとんかつカンティーヌは、毎週、あるいは隔週、でも使ってもらえるような、まさに「使い方は食堂」の、ちょっと上質な定食屋、を目指していました。実際に、毎週決まった曜日にお越しになるお客様も、けっこういらっしゃいました。


でもこれからは、少し違ってもよいのかもしれない、と、今、思っています。


「倹約」とか、「節約」とか、そういった意味とはまた別に、だんだん、社会全体の生活のスタンダードが、普段は質素でシンプル、ミニマルなスタイルになっていき、ときどき、状況に応じて、ちゃんとしたとき、ちゃんとしたところに、ちゃんとしたお金をかけるようになる。

そういうメリハリのついた価値観やお金の使い方が、良識ある常識、となる社会が、きっとやってくる。そんなふうに感じているのです。


そんな新しい来るべき社会のために、とんかつカンティーヌゆめみるこぶたが提案する、「ちょっと奮発の日」のための、新しいブランドとしての店が、再出発するのです。


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