top of page

カンティーヌCantine
2019年開業時点のアイデア

食堂

カンティーヌという聞きなれない言葉は、「食堂」を意味するフランス語です。

実は店主はとんかつ屋ではなく、ずっとフランス料理(ガチ系)の世界で料理人として修業してきました。
でも、自分でお店を出すときには、「フレンチレストラン」とかっこつけて構えるのではなく、「食堂」として利用してもらえるようなお店をやりたいなあ…とずっと考えていました。

 

カフェ

そしてまた、「カフェ」という空間が好きでした。自分だけの時間を過ごせる、居心地のよい空間、ゆったりした音楽・・・そんなほっとリラックスできるようなお店にしたいなあ、と思っていました。

飲み物

店主はあまりお酒を飲みません…というより、いわゆる「呑みの場」の雰囲気が苦手です。
世の中、「呑み好き」な人にとってはきっと楽しいのであろうお店はいっぱいあるのに、呑み好きでない人、お酒を飲めない人、あるいは「お酒は要らない」という人にとってうれしい「食事のお店」はほとんどないなあ…という問題意識をずっと抱いていました。

とんかつ

一方でまた、とんかつという料理が好きでした。

幅広い様々な種類の飲食業においては、既製品のもの、すでにできあがっているものを、注文に応じて温めなおして、盛り付けなどの「最後の仕上げ」だけをほどこして提供、としている事情があることは、様々な制約上、致し方ありません。

それでもとんかつだけは、おそらくどんな店であったとしても、ほぼ間違いなく、「注文が入ってから揚げて、できたての状態で出てくることが確かである」という数少ない料理として、料理人の私は、ひそかに注目していました。
このライブ感、臨場感、できたて感があるから、とんかつはいい。それに、副菜のキャベツもある。椀物もあって、漬物もついてくる。まさに一汁三菜、日本の献立として完成されている、この満足感。

しかし…これを、もっといい形に、もっといい料理に、もっといい食事体験に、革新することは、できないのか…?あまりに形式として固定化されすぎてしまっているこのとんかつという料理を、フレンチの料理人である自分が、新たに解釈し、再構成したとしたら、いったい、どんなことができうるか…?
 

とんかつカンティーヌ

それならば、カフェのようなかわいくて居心地のよい空間で、「呑み」の空気に取り巻かれることなく、自分だけの食堂のような感覚で、でもたまのちょっぴりぜいたくなごちそうのお食事処として利用できる、全く新しいとんかつ屋をやろう!と考えました。

​でも「とんかつ食堂」?「とんかつカフェ」?「とんかつレストラン」?どれもしっくりこない…


すでに存在している業態としての「食堂」「カフェ」「レストラン」という言葉が持っているイメージには、どうしても自分のコンセプトは合わない。


となれば……「新しい概念を表すカテゴリーとしての業態名」を、作ってしまおう!


というわけで生まれたのが、「とんかつカンティーヌ」です。

日本社会の中で新しく、「プチごちそうなお食事体験を提供する、カフェのような空間で、食堂として利用できて、レストランのような気分になれる」業態として、広めていくことができたらいいな、と考えました。
 

bottom of page